頭の中を空っぽにするブログ

株式会社ジェネストリームを経営しています。スタートアップ、ベンチャー経営から分かった事や感じた事を書いていきます。

コミュニティサービスのUXを設計するためのヒント(後編)

こんにちわ。

 

前回コミュニティサービスのUXを設計するためのヒント(前編)というブログを書きました。

genestream-ceo.hatenablog.com

 

かいつまんで整理しておくと、コミュニティサービスのUXは、ツール系のUXと比べて2つの点で考え方が異なるということでした。

  1. 関係する人の数の違い
  2. 関係する人が満足するポイントの数の違い

 

その上で今回は、コミュニティのUX設計をしていく手順を、僕が実際にやらかしてしまった失敗を元に整理していきたいと思います。

※まだ僕自身もチャレンジしている途中にあり、またプロトタイプを作っていくところまでしかできていません。なので、正しいやり方なのかもわかりませんし、スケールや改善に関してはお話できない点はご了承ください。むしろ「こうじゃないか?」みたいなご意見頂けると嬉しいです。

 

この記事の狙いは、UXというのはまだまだ抽象的で悩む方も多いと思うので、その解決の糸口にして頂くことです。

  

それでは順を追って書いていきたいと思います。

 

 

アンケート調査

まず初めに整理しておきたいのはアケート調査です。

UXを設計するためにはアンケートを多用することになるのですが、ここで悩みがちなのがこの2つ。

  • アンケートの質問項目の作り方
  • アンケート結果の整理の仕方

 

この両者は、アンケートの種類と目的を知ることで一気に解決することができると分かったので、まずはそれを整理します。

 

アンケートの種類と目的

まずアンケートは大まかに分類すると、目的ごとに3つに分類できます。

  1. 現状把握アンケート(目的:ターゲットやプラン設計のための調査)
  2. 仮説検証アンケート(目的:MVPを作るための仮説の検証)
  3. 動線検証アンケート(目的:UIの検証)

 

アンケート内容は、1から3に向かって具体的になっていきます。

 

現状把握アンケートだと、「想定ターゲットは今どうやっているのか?」(ex.普段◯◯という情報を見つけるためにどういうことを調べますか?)ということをヒアリングすることになります。

それに対し動線検証だと、アプリやモックを実際に触ってもらい、特定のゴール(ex.◯◯という情報を見つけてください)に到達できるかを観察することになります。

 

アンケートの作り方と整理の仕方

アンケートの作り方と整理の仕方は実はリンクしています。

 

つまり、「アンケート結果をどうアウトプットするか?」というイメージがついていれば、アンケート自体もその整理も簡単になります。

 

基本的に、エクスペリエンスマップを作る前提で、経験の時系列のアウトプットをイメージするといいと思います。

 

これは有名なスターバックスのエクスペリエンスマップです。

f:id:lrascggl:20150909125819j:plain

エクスペリエンスマップについて詳しくはこちらをご参照ください。

 

このように、体験のスタートからゴールまでのイベントを時系列に並べると、アウトプットのイメージが持てると思います。

 

そこから逆算すると、アンケートの質問で聞くべきは4つで、

  • 何をしたか?
  • 何を見たか?
  • 何に困ったか?
  • どう解決したか?

ということです。

 

これらを各イベントで聞いていくというのが、基本的なアンケート設計となります。

 

注意点

コミュニケーションアプリは、1と2をプロダクトを作る前にしっかり行う必要があります。

 

というのも、ツール系であれば「結果=満足度」とシンプルな方程式が成立するので、さくっと作って体験してもらったほうが早くなります。

しかしコミュニケーション系は、満足度の基準が関係者によって異なるので、「誰の満足度を高めるのか?」という点が究極的に求められるためです。

 

これを僕は怠ってしまい、プロダクトありきでスタートしてしまったために遠回りをしてしまいました。

 

(追記)

アンケートというワードが曖昧とのご指摘を受けたので追記しておきます。

今回のはユーザーリサーチであり、それは2つに分かれるとのこと。

 

ざっくり言うと、

1−2は、ユーザー調査(製品やプロトを作るための調査)

3はユーザー評価(製品やプロトの評価)

ということになるとのこと。

 

アンケートは、ユーザー調査の中の調査手法となるので、厳密には今回の件はユーザー調査の手順ということになります。

 

ターゲットユーザーのニーズの可視化

次に、ターゲットユーザーが具体的にどういうニーズを持っているかを分類します。

これは1のヒアリングの中の「何に困ったか?」から明らかになると思います。

 

具体的には、ターゲットの時系列上にある各イベントごとに、どういったニーズを持っているかを整理していく作業です。

 

これができると、「だれがどこで、どんなことを欲しているのか?」を可視化できます。

 

ユーザーニーズの重み付け

ユーザーニーズを可視化したあとは、それらに優先順位をつける作業です。

 

これは可視化したニーズリストをターゲットに見せて、「もっとも共感できるものを3つ選んでください」という形で聞けば完了です。

 

ユーザー満足の実現方法

ユーザーニーズの重み付けが完了したら、それをプロダクトかモックで検証しましょう。

 

ここで一番難しいのが、コミュニティの満足度を高める要因は、

  • 目的ベースで繋がれることか?
  • 人ベースで繋がることかか?

のどちらにあるかという問題です。

 

これは僕自身これからやっていくので正解かどうかわからないのですが、とあるUXデザイナーの方々とお話ししていて暫定的に下記手順になると思いました。

 

「目的ベースで繋がれるようにし、そのあとの継続性を高める方法の一つとして人ベースで繋がれるようにする」

 

というのも人が繋がるときは、まず相手の人となりを確認した上で、自分に合いそうかどうかを判断し、コミュニケーションをとって満足していきます。

しかしある目的を持ってきている人は、そこにあるコンテンツの正確性や納得度が満足の基準となります。

 

そうすると、ニーズ解決型コミュニティは、まずはターゲットの知的好奇心を満たして満足度を向上させることが最優先課題になるという理屈です。

 

 

こんな感じがプロトタイプを作るまでの手順になると思います。

 

メリット

この手順を踏むのは正直面倒臭いと思います。

しかしそれ相応のメリットがあると実感しています。

 

そのメリットとは、

ストーリーがいけてないのか、プロダクトがいけてないのかで迷わなくなる

という点。

 

要は、ストーリーがいけてるのかどうかはアンケート段階で良いものしか選択しないので、プロダクトの問題にフォーカスしてスピーディーに無駄なく動くことができるようになります。

 

まとめ

こんな感じでまだ成功もしてない自分が、自分の整理という意味も込めてUXの手順についてまとめてみました。

 

もし有意義な内容だと思ったらぜひ実践する際の参考にしてみてください。

 

またUXについてもっと体系的に考えを持たれている方や、勉強しているけどディスカッションする場所がないという方がいれば、ぜひお話しさせてください^^

 

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このビジネスマンのコミュニティ領域は、まだ圧倒的な勝者がいません。

様々なスタートアップが取り組んでいるのですが、まだ正解が見つかっていないためです。

 

難易度は高いですが、コミュニティサービスの貴重なノウハウが身につくので、UXスキルをこれから身に付けたいと考えている方、ぜひ一緒に創っていきませんか?

 

おまけ

ビジネスマンコミュニティに興味のあるVCの方とか事業会社の方がいたらお声がけくださいm(__)m

あと、Cu-hackerのメンテナンスに手が回らないので助けてください。。。