数字の改善がうまくいかないときは、感情と自分たちの正義を見つめ直すといい
お客様のためにどこまで献身的にできるか?
コミュニティサービス「Mingle」を伸ばすにあたり、最近コミュニティ作りの経験がある方に色々とお話を聞かせていただいています。
そんな中、前職のサイバー・バズ時だから公私ともに仲良くしてくださっている、ある化粧品メーカーの社長さんとランチをさせていただきました。
そのメーカーは敏感肌用の化粧品を扱っており、まさに激戦区の中で売り上げを倍々で伸ばしています。
その激しい市場にもかかわらず売り上げを伸ばせているコツを聞いたところ、
「お客様が喜んでくれることを徹底的にやる」
という商売の基本でした。
以前より口コミとエンゲージメントを重視したプロモーションを設計されていたので頭では理解していましたが、実際にやっている内容を聞いて、その徹底ぶりに驚きました。
まず全て記念日には、手書きでメッセージカードを送っており、これを社長が率先してやっているとのこと。
多い時は1人が100名の顧客に対して手書きでメッセージを書くらしいです。
アナログな仕事にも投資に対するリターンを
この社長はこれを投資と考えているのであるが、投資というからにはリターンの計算が不可欠。
しかしエンゲージメントの成果はなかなか数値化しにくいのも確か。
それをこの会社は、ABテストでしっかりと効果を検証していました。
詳しい数字は書けないのですが、たとえばワードで作ったメッセージカードと手書きのメッセージカードでのLTVを計測すると手書きの方が◯倍高いなど。
こうしたアナログで感情的な部分で満足度を上げ、それを経営者として効果検証し、そのためのオペレーションを整える。
偉大な経営者です。
数字の裏に何を見る?
この時に教えてもらった言葉が、
「数字は感情の表れである」
という言葉。
僕はこの言葉にハッとしました。
僕らのようにデジタルな世界にいると、どうしても数字の良し悪しだけで考えてしまいがちです。
「思惑通り動いてくれた」と満足してしまいますが、それは間違っていました。
その社長は数字の変化を、
「数字が良くなったということは、自分たちが良いと思ってやっていることに共感してくれた」
と顧客の感情と自分たちの正義がマッチしているかどうかを読み解いていたのです。
確かに数字に変化があったということは、行動があったということ。
その行動の背景にある感情の変化をしっかりと仮説を立てて分析し、施策に落とし、さらに満足度を高めるために自分たちが正しいと思う改善を繰り返す。
こういう、背景の感情の変化を読み取り、その顧客に対して自分たちが正しいと信じている改善をしていくと、顧客にとっても、企業にとっても誇れる商品が作っていけるのだと実感しました。
UXはビジネス全般に共通する
また、このときこんなことも教えていただきました。
「メーカーだけではこれからは生きていけない。自分たちがなにを提供しているのかを考え、サービスを提供していかなければならない。」
これもなるほどと思いました。
これって我々の言葉で言うUXだと思うんです。
自分たちの提供している商品が、本質的にもっている力は何か?
自分たちがユーザー/消費者/ファンに何を伝えなければならないのか?
そして根本には、
自分たちはそこで何を成し遂げたいのか?
というビジョンがある。
スタートアップにいるからこそ、ビションやUXという言葉にとらわれ頭でっかちにならないよう気をつけ、本質的に提供すべきこと、やるべきことに集中していこうと改めて心に誓いました。
デジタルの良さとアナログの良さをミックスし、ハードである化粧品を提供しつつもソフトであるUXを次の柱として提供していく。
大きな学びを頂きました。
ありがとうございます。
まとめ
どんな仕事も信念やビジョンが根底にあることが必須です。
もし数字の改善や仕事がうまくいかないと思ったときは、
一度それを使ってくれている方に話を聞いたり、自分の信念や正義を問いただす時間を作ってもいいのかもしれません。
おまけ
この社長は、平時とお酒を飲んだときとのギャップが最高です。
僕みたいだと思っていただければ間違いないかと。