「Cu-hacker機能向上と有料メニュー追加のお知らせ」についてを受けて、正直にお話しします。
こんにちは。
ジェネストリームの秋貞です。
昨日、我々の運営している「Cu-hacker(クウハッカー)」は、2月上旬より機能向上を行い、かつ有料メニューをご提供する旨を発表させていただきました。
[重要なお知らせ]Cu-hackerは機能向上と有料メニューを追加いたします
この発表は非常にセンシティブな内容でした。
まず何より、無料を有料にするという、ユーザー心理として受け入れがたい事実。
そしてユーザーが離れてしまうのではないかという不安。
今後成長とサポートを保証していかなければならないプレッシャー。
ここ5ヶ月ほどはずっとこの決断を実行するためだけに動いてきました。
そこで今日はその概要と背景を、今まで明かしてこなかった過去と共にこの発表を区切りにお伝えしておこうと思います。
Cu-hacker機能向上の概要
まずは機能向上の概要について。
2月上旬のタイミングで行う機能向上は2点です。
- Cu-hackerTOPの改善
- Cu-hackerの起動速度高速化
1.Cu-hackerTOPの改善
これは、ログイン前のページを今まで以上にわかりやすく改善しました。
チラっとお見せするとこんな感じです。
スケジュール調整のためのCu-hackerというメッセージを前面に打ち出していきます。
これを今後は、さらに利用シーンをお見せしたり、ユーザーボイスを拡張していくことで、
「ビジネスマンのスケジュール調整=Cu-hacker」
というブランドイメージを作り上げていく予定です。
2.Cu-hackerの起動速度高速化
これは以前ユーザーアンケートを取った時に、約60%以上の方が「不満」と回答された点でした。
それを踏まえ、ビジネスツールである以上、
「スピードが0.1秒でも早くなることは正義」
だと決め多くの時間と手間を割いてまいりました。
Cu-hacker有料メニューの概要
Cu-hackerは今回フリーミアムモデルを採用し、ユーザー様の利用量に応じた有料メニューのご提供を開始しました。
メニューは以下の3つです。
- フリーミアムプラン
- ベーシックプラン
- プレミアムプラン
従量メニューのポイントは、Cu-hackerでテキスト化する予定の数(=調整イベント)です。
- フリーミアムプランは無料で、月に30件まで調整イベントを作成していただけます。
- ベーシックプランは月額300円で、月に60件まで調整イベントを作成していただけます。
- プレミアムプランは月額980円で、無制限で調整イベントを作成していただけます。
このメニューは、ライトユーザーの皆様には引き続き無料でお使いいただける内容となっております。
今回の背景
ここからは今まで語ったことのない、この有料メニューを導入するに至るまでの経緯を歴史とともに振り返りながら、僕の状況について書いておこうと思います。
2013年5月 Cu-hackerβ版ローンチ
まず、2013年5月にCu-hackerβ版をローンチしました。
たまたまTechwaveですぐに取り上げていただくことができ、ローンチ3日間で1,000名近いユーザー様にご登録いただけました。
2014年5月30日 Cu-hacker iPhoneアプリローンチ
2013年10月にCu-hacker正式版をリリースし、CBで追加の調達を行いました。
そして約半年かけて、遂にCu-hackerのiPhoneアプリをローンチ。
2014年7月4日 5,000万円を調達しメンバー増強&多角展開開始
更にCu-hackerの強化を行うため、資金調達を実施。
そしてビジネスマンユーザーベース獲得のために、Cu-hacker以外のプロダクトラインを生産開始。
その第一弾として「Suica-hacker(スイカハッカー)」を公開。
徐々にメンバーも増え、一時期は7名の正社員と6名のインターン生のいる組織へ拡大。
しかしこの辺りから、失速期に入ります。
当時、同時に3−4本の新規アプリやサービスを開発していたのですが、開発してローンチできなかったものがほとんどです。
この時の僕はスタートアップの鉄則である、
- プロダクトを更に磨き上げる
- 人に投資をする
- ユーザーが増える方程式や、マネタイズの方程式を作る
- プロダクトラインは基本的に増やさない
という鉄則をことごとく破って我流で経営をしてしまいました。
2015年6月 メンバーは2人まで縮小し、しかもメンバーの心身のコンディションは最悪
僕のやり方が悪かったというのがすべてです。
そのせいで、成果を出せず、当時のメンバーには苦労ばかりをかけてしまいました。
あるエンジニアは体調を崩し、不眠症のようになってしまいました。
メンバーは毎月1人やめ、2人やめ、採用を新しくかけようにも僕自身が経営に対して自信をなくし、自社の魅力を一つも伝えられない状況が続きました。
また資金もほとんどをとかした状態で、お金をかけての採用ができない状況になっていました。
しかし、エンジニア2人は残ってくれて、その2人のために再度立て直して行こうと決意しました。
2015年8月 実名ビジネスマンコミュニティ「Mingle(ミングル)」のテスト開始。しかし1ヶ月でクローズ。
起死回生をかけて作り上げたのが、実名のビジネスマンコミュニティ「Mingle」。
これは、自分たちの悩みや仕事上の課題をオンラインで語り合うことができるSNSです。
Cu-hackerはコンテンツとコミュニケーション機能を持たなかったが故に、ユーザー獲得チャネルをうまく構築できなかったと分析しました。
そこで、今度はそこを強化したプロダクトで再起を図ろうとしたのです。
しかしこれも大失敗。
テスト段階で全く反応を集められませんでした。
そこで得た気づきとして、自分が得意なことは、
「コミュニケーションを活性化することではなく、事象を整理し分解した後に再構築する力」
だと気付きました。
やりたいことだけを追いかけていても、自分のできることをないがしろにすると成功確率はゼロに等しくなるということを身にしみて実感しました。
2015年9月 今会社をたたんだら何に一番後悔する?
ここで僕は完全に自信を喪失しました。
色々と考えた結果、最後に残った選択肢はこの3つでした。
- 全く新しい事業を開始する
- 会社をたたむ
- Cu-hackerをやり直す
新しく事業を開始するためには、スピーディーにトラフィックを獲得でき、マネタイズできるものにする必要がありました。
しかし僕にそのノウハウはなく、勉強している余裕や人的リソースはありません。
会社をたたむというのは、一度全てを清算し、ゼロベースで再チャレンジするという選択肢です。
これは、これ以上関係者に迷惑をかけられないという想いが強かったです。
Cu-hackerをやり直すという選択肢は常に上がってきました。
しかしなぜそこにフォーカスしていなかったかというと、Cu-hackerはプログラムがカオスな状態になっていて、誰も手をつけられない状態だったのです。
実はプロダクトラインを多角化したタイミングでこの状況は発生しており、その当時であれば2−3ヶ月ほどで修正できたのですが、それをコストと考え解決することから逃げてしまっていました。
こんなどれも自分の中で消化できない選択肢を抱える状態が続きました。
しかしある時ある記事を読んで一つの文章が目に入りました。
「今会社を清算したとして、一番後悔することは何だ?と考えたんです。」
はっとして、この視点で改めてさっきの3つの選択肢を考えていました。
すると、
「Cu-hackerがこのままで終わるのが一番後悔する」
というのがすっと出てきました。
そこで、まずメンバーに、
「今まで振り回して申し訳ない。再度Cu-hackerでやらせてください。今度は最後までやりきるので、もう一度チャンスをください」
と謝罪しお願いしました。
僕はメンバーが、「また秋貞の軸が変わった」と言って呆れ、辞めていってしまうことも覚悟していました。
しかしメンバーは、
「Cu-hackerが一番チャンスあるでしょ。やりましょう。」
と言って協力してくれました。
この時を境に、今までの自分と決別するために、自己変革に重きをおくことにしました。
まず今までを振り返り、自分が大きく変えなければらなないと分かったことは4点あります。
これらは頭ではわかっていたのですが、全くできていませんでした。
そしてCu-hacker事業に対しても3つの軸を自分の中で持つことにしました。
- 提供している価値に対しては自信をもって対価をいただく
- 対価以上の価値をお返しする
- プロダクト以上にビジョンに共感して支援していただく
今までは、どこかCu-hackerの未来に対して懐疑的な部分がありました。
それは、うまくいかない中で自信を失ったとも言えるかもしれません。
しかし改めてCu-hackerから想像できる未来を考えてみるとワクワクしますし、何よりそれを信じよう、正解にしていこうと自分が一番想えます。
これについてはまた別の機会にご共有したいと思います。
2016年2月上旬 新たなチャレンジへの船出
このような経緯を経て、来月からCu-hackerを不退転の覚悟で進めるため、有料メニューを提供することにいたしました。
僕はこの一連のことについて、今まで話したことはありませんでした。
仲のいい友達にさえ話したことはなかったです。
なので結構驚かせた方も多いと思います。
しかしようやく、自分の中でこれまでのことをうまく消化できるようになったので、Cu-hackerの大きな変化の時に自分自身もさらけ出して新しい自分で勝負しようと決めました。
我々の覚悟が、サービスをよりよくしユーザーの皆様にはご満足いただける。そしてその結果としてジェネストリームも成長し、さらなる価値をご提供できる。
そういうポジティブなスパイラルを生むためのきっかけとして、このブログが役割を果たせばと思っています。
最後に
いつもと打って変わった形の長文ブログとなってしまい失礼いたしました。
もしこんな我々でもサポートするよという方がいらっしゃれば、お気軽にご連絡ください!
[秋貞メール]
akisada@genestream.co.jp
[秋貞facebook]
https://www.facebook.com/yudai.akisada
これからも、ジェネストリーム及びCu-hackerをどうぞよろしくお願いいたします。