ビジネスマンの1日を30分増やした先にあるもの
こんにちわ。
久しぶりの更新になります。
今日はちょっとこの半年かけて考えてきたことを書き留めておこうと思います。
振り返り
ジェネストリームでは、「未来の当たり前が始まる会社を創る」というビジョンのもと、Cu-hackerというスケジュール調整サービスを主事業として提供してまいりました。
このCu-hackerは、「ビジネスマンの1日を30分増やす」というプロダクトビジョンを実現するため、2012年より約3年間提供してきたサービスです。
ありがたいことに、3万名弱のユーザー様に支えられ、今も広告費を一切かけずに口コミでユーザー様が増えている状態です。
その中で最も聞かれていた質問が、「なぜCu-hackerをやっているのですか?」という質問でした。
Cu-hackerを創ったきっかけは、自分の前職の営業時代の経験と、インキュベイトキャンプ4thでの赤浦さん、和田さんとの出会いからでした。
自分の好きなことは「知る」こと
ちょっと話がさかのぼりますが、僕は小さい頃からかなりの一匹狼かつ天邪鬼だったので、友達はほぼいませんでした。
(今の僕しか知らない方は意外だと思いますが)
しかし、学ぶということが好きでした。
知らない言葉はすぐ調べ、興味のある本はひたすら読んでいました。
面白そうなことがあればすぐ行動してよく泥まみれになって母親に怒られていました。
そんな性格のまま大学に行ったもので、大学は非常に魅力的な場所でした。
それまでは、国語、数学、英語、理科、社会という分類でしかなかった学問が、大学に入るとさらに細分化された授業が無数にありました。
僕は法学部に入ったのですが、興味を持った授業にひたすら参加していました。
心理学、経済学、建築学、フランス文学、応用化学という感じに、学部関係なく面白そうな授業に潜り込んでいました。
最終的には弁護士になりたくて法学部の授業に集中していたわけですが、様々な学問に触れていたことが実は大きな意味を持っていたことにはこのときは気づきませんでした。
感じていた違和感
こんな生活をしていると当然、「秋貞はなんでそんなに勉強が好きなの?」という質問をされました。
僕は勉強をしている感覚はなく、自分の知りたいことを知りたかっただけなのですが、ハタから見ると変人に見えたようです。
その当時は、学部関係なく学ぶことのロジカルな意味づけはできませんでした。
ただ、「なんとなくおもしろそうだから」という感覚でしか話せませんでした。
ここで僕は、
「なんで学ぶことが嫌いなんだろう?」
と漠然とした違和感を感じることになります。
Cu-hackerをやって感じた無力感
ここで話は起業時に戻ります。
Cu-hackerは、ビジネスマンの生産性を上げることを目指したプロダクトです。
しかし運営していく中で強い無力感に襲われることがありました。
それは、「仕事の生産性が高い人ほど仕事が終わらない問題」に気付いたためです。
具体的に説明します。
例えば、30分仕事を早く終わらせると、他の終わっていない仕事を受けざるを得ないため結果的に仕事量が増えているのです。
そして早く帰ろうものなら、周りからの冷たい目線に晒されることになります。
その結果、仕事のできる人が自分の時間を自分に投資することができなくなり、スキルを伸ばす時間が取れず新たな学びもなく時間を無駄にしてしまいます。
僕が本当に変えなければならないことは?
こんな想いを持った2015年2月、いろいろなタイミングもあり自分に問い直しました。
「何のためにお前は起業したのか?」
数ヶ月答えのない迷路に入り込んでしまいました。
そんなとき、新卒の時からの友達でSFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)出身の友達と話していると、なぜSFCから面白い起業家が生まれるのか?という点に対して持論を教えてくれました。
SFCでは、入学するとまず文理関係なく自分の好きな授業をとることが求められる。
そのため、例えばエンジニアの道に進もうと考える大学生がSFCと他の大学にいたときにこういう違いが生まれる。
他大学の学生は、理系に入ったからエンジニアリングを学ぶ。なのでやっていることがエンジニアリングでしかなく、「エンジニアリングを使ってものを作る」という視点しか持てない。
それに対しSFCの学生は、他の学問を体験した上で自分でエンジニアリングを学ぶ。そうすると、エンジニアリングは問題解決のための根本的な手法だと認識し選択しているので、「エンジニアリング×社会問題」という視点でエンジニアリングを活用しようとする。
これに僕はとても共感しました。
※ちなみにSFCの教育理念は問題解決力を高めることのようです。
本来教育とは、可能性を広げる存在なのではないのか?
高校、大学と学びの場を広げると、本来可能性は広がるべきなのに、なぜ日本では進路をを決めるごとに選択肢が狭まっていくのか?
なぜ学びと出会いが自由な場所に行けば行くほど、その選択肢が狭まるのか?
高校を決めれば大学の学部が決まり、学部が決まると就職先が決まる。
社会に出ると、さらに時間もなく、付き合いも狭くなっていく。
そうすると人の能力や人脈は硬直化し、できることが限られた会社員が量産される。
できることが限られると人材の流動性が低くなり、経済に活力がなくなる。
経済の活力を新社会人に求めるが、その人口も減っている。
新社会人人口が減っているから少数精鋭で採用しようとする。
学生は少数の枠に入るため、ますます専門的なことを大学で学ぼうとする。
そもそも視野の狭い人材が入社し活力を与えられない。
こんな感じで、学びと出会いがないことで、日本経済は不健全な状況を生み出してしまっているのではないかと。
逆に、学びと出会いがあると、こんなスパイラルを生み出す。
知ることで人と出会い、新しい情報が入ってくる。
情報があるから判断できる。
判断できるから欲しいものを手に入れられる。
欲しいものを手に入れたので新しく出会い、新しい情報が入ってくる。
実はピケティの資本論「持てるものがさらに持ち、富が一極化する」は、情報にも当てはまっているのだと気付きました。
つまり、社会人にこそ学びと出会い(コミュニケーション)が必要なのではないかと考えるようになりました。
今の僕がいるのも、大学の時にあらゆる学問を経験したからこそ、見えている世界なのかもしれないと。
※ここで言う出会いとは、いわゆる出会い系のような出会いではないです。
新しい人との出会いや、新しい価値観との出会いということです。
そして気付きました。
Cu-hackerを提供してきたのは、ビジネスマンの1日を30分増やして、「学び」と「出会い(コミュニケーション)」に時間を使って欲しかったのだと。
こんな体験ありませんか?
例えば、こんなことありませんか?
これらは、人と会話することで学びを産む典型例だと思います。
人と出会い、話すためには、そのための時間が必要です。
生産性を上げるということは、新たな知識・知恵を持ち、それをテコにさらに大きな結果を産むことにあります。
こういう体験を増やしていくことが次のジェネストリームとしてのミッションになると確信しています。
そんな中で、今「学び」と「コミュニケーション」を軸とした、ビジネスマン向けコミュニティサービス「Mingle(ミングル)」を開発しています。
Mingle(ミングル)- 社会人のための実名コミュニティ- - Google Play の Android アプリ
Mingleのコンセプトは、「まだ気づいていない自分に出会うことで、未来を創るビジネスマンを増やす」です。
新しいチャレンジで手探りですので、コミュニティ作りに興味のある方、ぜひ力を貸してください。
今回のプロダクトは、社外の方と組んで成長させていきたいと思っています。
もし興味がある方がいれば、こちらにメッセージをお願いします。
https://www.facebook.com/yudai.akisada
▼メール
akisada@genestream.co.jp
最後に
文章を簡潔に書くって難しいですね。
これからはもっと簡単に書きます。